ノルウェーのエアコン事情
ノルウェーは、北欧諸国の中でもマイナーな国のひとつですが、とても魅力に溢れた国です。ノルウェーと聞いてサーモンやオーロラを思い浮かべるかたも多いかもしれません。
このほかノルウェーは、『叫び』で有名な画家のムンクや音楽家のグリーグの出身国でもあり、ディズニー映画『アナと雪の女王』の舞台となった国でもあります。
『アナと雪の女王』の舞台ということは、雪国で寒いイメージですが、ノルウェーの夏はどのような気候で冷房の需要はあるのでしょうか。
ノルウェーの夏(6～8月)
ノルウェーの夏の平均気温は15℃前後、明るい時間が長くて過ごしやすく日本の初夏ぐらいの気候です。「今年、夏ってあった？」と感じるほど涼しい夏もありますが、近年では異常気象により、30℃近くになる日もあるようです。
しかし冬が長く日照時間が短いノルウェーの人々にとって夏への思いはひとしお、ノルウェーでは夏休みを長く取ってたっぷり遊びリラックスをして夏を過ごします。
またノルウェーの気候は、日本のようにはっきりとした四季があり、年間を通して雨季がなく湿度が低いのも特徴です。
ノルウェーの冷暖房事情
寒いノルウェーでは、冷房より暖房のほうの需要が高くなります。
部屋を暖める手段として暖房、パネルヒーター、暖炉があり、日本のようなエアコンはありません。
また、暖房を切ってしまうと配管が凍ってしまうので、24時間暖房はつけっぱなしにするそうです。電気代は大丈夫？と心配になりますが、ノルウェーは水力発電で国内の電気をまかなっているので、意外と電気代は安価のようです。
欧州の地域冷暖房システム
日本ではあまり聞いたことはありませんが、寒さの厳しい欧州では、複数の建物に温水や蒸気などの熱を配管で供給する地域熱供給が古くから発達しています。
地域熱供給には暖房だけでなく、冷水を供給する地域冷房もありますが、圧倒的に需要が多いのが地域暖房です。
欧州の冬は寒さが厳しく、建物や部屋を個別に暖房するよりも地域全体を集中的に暖房するほうが、エネルギー効率がいいことから地域暖房が発達しました。
また、地域暖房の熱源として、ごみ焼却熱や工場排熱、風力発電の余剰電力でつくられた熱などのさまざまな未利用エネルギーも活用すれば、エネルギーを余すことなく有効に使えます。つまり、省エネを考えると地域暖房の仕組みは、とても優秀なシステムと言えるのではないでしょうか。
この地域冷暖房システムは、日本でも1970年に導入されており、アメリカ・カナダの寒冷地域や中国などでも広がりつつあるようです。
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