サウジアラビアのエアコン事情

サウジアラビアはメッカとマディーナの二大聖地を抱えており、如何なることにおいても、イスラム教を最大に優先する社会です。

この二大聖地のひとつであるメッカは、人間が生活している地球上で最も暑い場所で、年間の平均気温は30.7℃、夏には50℃に達することもあります。
日本人にとっては経験したことのない気温なのではないでしょうか。

通常ならこの暑さの中での行事ごとは避けたいところですが、イスラム教を最大に優先するサウジアラビアでは、メッカ大巡礼のため、この暑さがピークに達する頃に忙しくなります。昨年は約250万人が参加したメッカ大巡礼ですが、2020年の今年は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、例年に比べ規模を大幅に縮小し、約1万人の参加となりました。

巡礼者の暑さ対策

ホテルや、サウジアラビアの王族といった一部の住宅所有者は、エアコンを完備していますが、外に出ないわけにもいきません。巡礼者たちは暑さに備えて、大量の水を買うのが一般的です。また、巡礼場所であるカーバ神殿の周りの地面は、ギリシャから輸入した白い大理石でできており、日中も日差しや暑さをはね返し、どんなに暑い日でも冷たいまま、さらに多数のエアコンも設置されています。巡礼者の暑さ対策はしてあるようですね。

サウジアラビアのエアコン事情

サウジアラビア政府は、省エネ推進のためにエアコン規制を強化しており、省エネルギー推進の一環として、下記のようなエアコンの規制があります。

1. 国際的な最低エネルギー消費効率基準のフェーズ1に適合しないエアコンの2013年9月7日以降の輸入・製造禁止と2014年1月1日以降の販売禁止
2. 同フェーズ2に適合しないエアコンの2015年1月1日以降の輸入・製造禁止

そこで日本のエアコンメーカーは、この規制に対応すべく、オゾン層破壊係数がゼロであるエアコンを開発、実際にサウジアラビアへ納入しています。

世界市場でも活躍する日本のエアコンメーカー

サウジアラビアでは政府による大規模な都市開発プロジェクトが進行中で業務用エアコンや家庭用エアコン市場の拡大が期待されており、日本のエアコンメーカーもサウジアラビアで販売やサービスを行っています。
ちなみに世界の大手空調機器メーカーで売上高トップのメーカーは日本のダイキンです。

高温多湿の気候を持つ日本メーカーは高度な空調技術を持っており、多くの日本メーカーが、海外売り上げを伸ばしています。

地球温暖化による気温の上昇により拡大傾向にあるエアコン市場において、日本のエアコンメーカーの海外での活躍に期待しましょう。

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